第5回「公正証書」
質問1 よく、契約その他の約束がまとまったとき、これを公正証書にしておくと良いといわれますが、公正証書とはどのようなものですか。
回答 公証人役場で執務をする公証人という特別職の公務員が、当事者の嘱託(依頼)によって権利関係について作成する文書のことです。
質問2 一般の契約書でなく、公正証書にするとどのような点が良いのですか。
回答 重要なものとして3つ挙げられますが、まず第1は、公証人は、弁護士と同様に法律の専門家ですから、依頼人の求める目的に沿った的確な内容の契約文書にしてもらえることです。
質問3 その次には、どんな点が挙げられますか。
回答 裁判その他で証拠として利用するとき、一般の契約書と比較して高い証拠力が認められることです。
質問4 もう1つは、どんな点ですか。
回答 これが最も大切なことですが、借入金、養育費、慰謝料など金銭の支払約束を公正証書にし、約束に違反したときには強制執行を受けるという文言(これを強制執行認諾文言といいます。)を付け加えてもらうと、違反をしたときに、その公正証書に基づいて、直ちに強制執行することができます。
質問5 一般の契約書では、そのようなことができないのですか。
回答 どんなに立派な内容であっても、その契約書を証拠にして訴訟や調停の申立をし、判決や調書にしてもらわないと強制執行はできません。
これは、手形にしてもらっていた場合でも同じです。
質問6 公正証書の作成を依頼するこちは、どうしたらいいのですか。
回答 あらかじめ用意する書類その他の準備や手数料が必要なので、事前に公証人役場に問い合せてから出向かれるとよいでしょう。